拍手お礼SS・孔明×陸遜前提趙雲ドリーム



拍手お礼SS・孔明×陸遜前提趙雲ドリーム

疑似玉璽の、薄暮にも似た光の中。
師弟はその淡い光の中、寄り添うように立っていた。
「泣かなくてもよいのです。見る角度によっては真実も違って見える。大事なのはそなたの目の位置です。」
陸遜の瞳からこぼれた涙をやさしく拭う孔明の指。
ああ、やはり我が師は間違っていなかった。
安堵した陸遜が孔明の胸に縋り付く。
「我が師よ、どうかこれからも私を導いてください。」
陸遜をやさしく受け止める孔明。

・・・ん?!パ?・フェ・ク・ツ?!!キ・ターーーー!!!って感じ!
皆様こんばんは、ただいま呉の山奥の草庵の天井裏よりお送りしております。
いや?数時間ここで粘った甲斐がありました。
城の中庭で陸遜が孔明の使いだとかいうアヤシイ覆面の男について行くのを目撃したのが昼間。
その瞬間、異世界トリップしてブランクあったとはいえ、私の腐女子として研ぎすまされた感覚が何かあるぜ!ってびんびん訴えてきまして。
で、早速周瑜に置き手紙(陸遜が怪しい人物に拉致られました、ちょっと出てきますってな内容)をして2人の後をつけて夕方頃この草庵に辿り着いたら。
例の陸遜のお師匠様の孔明って人が満面の笑みで出迎えてます。
おお、師弟の対面!
って、師匠いきなり陸遜の髪に触れてますよ!
うん、いいかも。身長差とかもうヴィジュアル的にも物凄いGoodですよ!それに普通師弟ってこんなにいちゃつく?!私の中でこの2人を応援することは決定事項になりました。
で、そのままGO!かと思ったら街に出かけていっちゃうから、あらら?と思ったけど。
多分戻ってくるだろうと草庵の天井に苦労してよじ登って待ってた甲斐がありやしたぜ!

「ねえ」
うるさいな、今いいところなんだから!
「ねえってば。」
「ぅひゃあ!」
いきなり私の肩にあごをのっけて耳もとでささやく奴が!
あわてて飛び退くと、覆面をしたアヤシイ男が。
この人、陸遜をここに連れて来た趙雲とかいう人だっけ?
「何してんの?」
やば。
ここで騒ぎを起こすのは・・・いろいろまずいよね。
当たり障りなく切り抜けよう。
「お初にお目にかかります。陸遜の護衛の者です。」
嘘は言ってません。
「こんなところで?アヤシイなあ。」
いやいや、アンタにだけは言われたくありません。
ええい、ここは笑ってごまかせ!
「陸遜に危害が及ばないようにするのが私の務め。お師匠様との再会、微笑ましく見守っているだけでございます。」
にっこり。
笑って答えたはいいけど、もう滅茶苦茶言ってるよ、私。しかも場所は天井裏だし。
わかってるけどさ、私も退けないのよ!ここは!
「ふうーん。まあいいけどね。じゃあもうお務めは十分でしょ。僕と遊ばない?」
は?
何言ってんの?この変態覆面は?
「相手してよ、って言ってんの。」
そんな男の服装してても匂いでわかるんだよね。女でしょ?あんた?
そう続けられた言葉に、ぞわっとする。
「よく見ると結構可愛い顔してるし」
よく見るとか!?
ついでに服装は周瑜の趣味です!(いや、仕事上男と思わせておいたほうが都合いいからって)
という突っ込みはおいといて。
こっちが硬直してるのをいいことに、趙雲は私のあごに手をかけて至近距離で値踏みするように見てきてます。
匂いってあんた犬ですか!覆面してるのに!?
「遠慮させていただきます。」
美形かもしれないけど、何か目の光り方が蛇みたいで、怖い。
危険信号。こういうのは相手にせずにきっぱりお断りさせていただかないと。
「そう言わずにさあ。」
いつ覆面をおろしたのか、くいっと引き寄せられて。
く、首筋にいきなり、ちくっと痛みが!
ぞぞぞぞぞ。一気に鳥肌がっ!
い、や?!!!(怖)
私は、師弟の再会ドラマ(もちろんその後も)が見たいんであって!私自身がそういう対象になるのは問題外!!
「止めんか!ヘンタイ!」
近付いていた距離を利用し、がしっと右手を趙雲の頭を包むように巻き付け、腕全体で頭を締め上げ、左手では頬骨を攻め・・・はい、完成。
そう、ヘッドロックです。
何でもありなこの世界でも、さすがにプロレス技はあるまい!
非力な女性でも、素早さで適わない相手でも関節技は結構有効なのさ!
雑学満載のオタクは格闘技にもちょっとは詳しいのさ、えっへん。
見よう見まねだけどね・・・シメ加減がわからないんだよね。本気で対人でやったことないから。
「ぐっ・・・」
よし、苦しそうだ。効いてるね!
ってか、早くオチて!孔陸シーンを一秒たりとも見のがしたくないんですよ、私ゃ!
ようやく、意識失ってくれたのか、趙雲が動かなくなりました。
大丈夫、脈はちゃんとあります。
ったく、遊びだなんて失礼な。私はそんな安くないんですよ!

ってシメるのに夢中になってたけど。
あれ?何時の間にか孔明と陸遜がいない。
もしかして騒がしすぎた?小声で会話してたつもりだったんだけど。
どこ!?とあせると、外から話声が。
ここからじゃ見えないな・・・よし、屋根に登ろう。
「・・・同志を見つけてきました。必ずやそなたを支えてくれることでしょう。」
縁側で月を見ながら、ひ、膝枕!しかも陸遜の髪を撫でています・・・いや、こんな師弟いない!
やっぱり私の勘に間違いはなかった!
・・・ん?同志・・・ってもしかしてさっきの変態覆面忍者も入って・・・たりするのかしら。
・・・スイマセン。その同志の一人ってさっき私がシメちゃった奴デスカ?・・・
・・・ま?、ヤッちゃったもんはしょうがないよね!正当防衛だし!気を取り直して今宵は孔陸ドリームを満喫しよう、うん。

「ちょっと効いたよ、さっきの。面白い技使うね。」
屋根に伏せて絶好の孔陸ロケーションに満足してたら後ろから趙雲の声が。
い?や?!!(怖)この人不死身!?
「・・・もう復活してるし・・・」
思った言葉は声に出てしまったらしい。
「こっちの遊びも悪くないけどね。ねえ、本気になってもいい?」
どっちの本気でも御免被ります。
ああ、天のどこかにいらっしゃるという萌の神様。
どうやら、孔陸師弟ラブを堪能するには趙雲は乗り越えなくてはならない壁のようです。
・・・そんなわけで、今度は明け方近くまで山の中で趙雲と炎烈鎧を使ったバトルを繰り広げておりました・・・あっちは遊び感覚だろうけどこっちは命がけです。(疲)

その後、出勤して。
やけにお肌つやつやな陸遜と一緒に周瑜に呼び出されたこととか。
2人して首筋についていたキスマークのせいで周瑜がものすごく微妙な顔をしていたこととか。(陸遜はともかく、私は気づいてなかったんですよ(泣)趙雲め・・・)
その誤解をとくのがとーっても大変だったこととか・・・。
首筋にふれた趙雲の感触が妙に生々しく残ってて、思い出すたびに心臓が勝手に速く動いてたりしてたとか。(違う!断じてこれは恋じゃない!)
孔陸萌の道はなかなか、困難なスタートとなったのでした・・・。