甘寧×凌統拍手お礼ログ・2



「何と言うことだ」
「・・・」
「こんな蛮行が許されていいのか・・」
「・・・」
「惨い・・・あまりに惨すぎる。あんまりだ・・・」
「・・・だ?っ!いい加減にしやがれ!たかが髪切ったくらいで大袈裟なんだよ!」
腰まであった黒髪をばっさりと切り、新しい鉢巻をして現れた凌統に、甘寧は鍛練していた弓と矢を全て取り落とし、その場に崩おれた。
その後誰にやられた!?と血相を変えて詰め寄る甘寧に、自分で切ったのだと凌統が言ったことで前述のやりとりとなった訳であるが。
まさか、たかが髪でここまで騒ぎになるとは凌統も思わなかった。

「何を言う!たかが、だと?」
「だってその通りじゃねえか。」
「あのように美しい黒髪を切るなど許されていいはずがない!」
「・・・美しいって、あのなあ・・・」

急に、がしっと自分の両肩をつかんできた甘寧に凌統は怯む。
「俺はお前の全てに惚れているのだ。髪ひとすじたりとも変えてほしいなどと思ったことはない!」
「惚れ・・・って・・・」
あまりにストレートな物言いに凌統の頬に朱が上る。
普段、クールなので忘れがちだが、この甘寧は熱くなるととことん、熱くなる男だと言うことを忘れていた。

「あのさ・・・じゃ、オレのこと嫌いになった?」
「何故そういうことになる?」
悲しげな顔をしてうつむいた凌統に今度は甘寧が焦り始めた。
「だって、以前のオレじゃなくなったわけだろう?そんなら・・・」
「そのような訳ないだろう!俺はお前の全てに惚れているのだから・・・」
「じゃ、この髪もオレの一部ってことで問題ないよな?」
「それは・・・」
己の言い出したことなのに、上手く言い包められてしまった甘寧は、しゅん、として下を向いた。
その様子が可哀想になった凌統は、ぎゅ、と目の前の甘寧に抱きつく。
「まあ、急にびっくりさせて悪かったな。次からは相談するから。」
「・・・いや。俺こそ取り乱した。・・・出来れば、また髪を伸ばさないか?」
抱きしめ返して来た甘寧が、さりげなく提案する。
「却下。切ったばっかだし。・・・でも、まあ、そのうち検討してみるさ。」
「凌統・・・。いや、でもその髪型も似合っていないこともない。」
「何だ、そりゃ。」

・・・・結局、髪型ひとつで揉めても、それさえも仲直りしてもっと親密度が上がるという、ある意味バカップルなお話・・・。