アラバスタへ向かう途中のゴーイングメリー号。
海は穏やかで、順風で、太陽の光はあったかくて。
・・・なのに、ゾロはずっと寝てる。

さっきまでは甲板に大の字になって、ビビの話の途中からは船の縁に寄りかかって。
最初はそんなゾロの横に座って釣りをしてて、平和な時間を楽しんでたんだけど、だんだんつまんなくなってきた。
だってゾロはずっと寝てる。
平和なのはいいことだ!と知ってはいる・・・だけどそれがゾロがずっと寝てるってことに繋がるんだったらちょっとさびしい。

「・・おーい、ゾロー?」
「・・ぐがー・・」
呼んでるのに。
「いい天気だぞー」
「・・ぐがー・・」
本当にいい天気なんだぞ?そりゃ昼寝するのにぴったりかもしれないけど寝てると何にも見えないじゃないか。何か損した気にならねえ?
「うまそーな魚つれたぞー」
「・・ぐがー・・」
珍しく、魚が釣れた!・・・だから一番最初にゾロに見て欲しかったのに。見せる前に、ごくろうさん、の一言でサンジが持って行っちまったじゃねえか。
「・・・ゾロのばかー・・・」
「・・・誰がばかだって?」
文句の一つだって言いたくなるぞ。言ってもどうせ起きないんだろ?って、え?
いつのまにか起き上がったゾロがおれの後ろに立ってた。
寝起きのせいか、すっごく目がすわってる・・・。
「わっ!?なんで悪口だけ聞こえんだよ。」
反則だぞ!?どうして悪口のとこだけで起きるんだよ?何言っても、さっきなんて誰かがうっかりつまづいても起きなかったくせに。
「そりゃお前の・・・それよりばかって言ったのはこの口か?ん?」

頭の後ろをかきながらゾロは何か途中まで言いかけて。
急に、にやりと笑ったかと思うとおれの口元にその太くてちょっとガサガサする指を伸ばしてすううっとなぞった。
その後で、ゾロはおれの口におしおきをしたのだけど・・・それは、内緒。
偶然、こっちを向いたカルーが見てらんないとばかりにその翼で自分の顔をおおってた。


end




ゾロルーズが!!!


実はこれ、以前、月曜研究所のシマネコ様のところでカキコさせていただいてた時に即興で出来たSSです。
いやー、あのころは月曜日になるたんび、WJ読んでスタンド・ゾロルーズが発動!(爆笑)
それでもって即興でWJからゾロル物語をきっちり1つは作っていたという・・・。
今考えるとなんてバイタリティにあふれてたんだ、私。
ちなみにゾロルーズはこの船内のどっかで懲りずに活動してるらしいです。