きりりと澄んで冷たい空気と柔らかく紅葉を照らす陽射し。
ここは、グランドラインの秋島。
温泉地としては少しは知られているらしい島のようです。
・・・長かった戦いが終わって、ルフィ一行は束の間の休息をとるためにこの島に来ていました。
「すごいぞ、ゾロ!木の葉っぱがみんな、赤とか黄色とかにそまってるぞ!!」
ゾロとルフィは2人で一番、山の奥まったところにある旅館を目指して歩いていました。
ん?どうして2人きりかって?
説明しよ〜う!!(いきなりタイムボカン調)
珍しく、別行動で数日この島で過ごすことになったその背景には。
ナミたちが近代的で街中にある、”えすて”だか、”レディスプラン”だか何だかがついているホテルに泊まるから、と。
そしてまるで申し合わせたように他の面々も別行動を申し出てきた、と。
そういう深い事情があったのでした(どの辺りが深いんだ?)
(・・・やっぱり借りになっちまってんだろうな・・・)
去り際に彼らがちらっとゾロとルフィに向けた視線が非常にゾロは気に食わなかったのですが。
「おれ、ゾロと一緒だったらこの道、ずっと歩いていたい。」
ゾロの気も知らず、ルフィは笑っています。
四季がない島で育ったルフィには紅葉が珍しいらしく、それにダイスキだと公言して憚らないゾロ(カミンナウト済みらしいです)と2人きりというのがたいそう嬉しいらしくて。
悩みなんて、まるでないという顔で。
それを見てゾロも滅入っていた気分が晴れてくるのでした・・・(イージー@ラブな人←謎)
途中、どんぐりを見つけては、おー!!と歓声をあげては拾ってポケットにつめこむルフィ。
その仕草もまた愛らしく微笑ましくまるで、リスのようだvと一人ゾロは腐ったことを考えて笑いながら歩いていました。(←こ、怖い人がいます!!)
「ねえ、ゾロ!早く、来て・・・」
何かあったのか、別なシチュエーションで言われたらさぞ萌える台詞を上目遣いで呟きつつ。(こらこら)
ルフィが数メートル先で呼んでいます。
これに、ダッシュしない人間がいようか?いや、いない(反語)!
お約束通り、黄金聖○士(古!)も真っ青の光速で駆け寄る若さ溢れる剣豪。(←何かヤダ・・・)
「どうした!?ル・・うおおおわ!?」
「やーい、ひっかかったー!!」
穴の向こう側ではルフィが手をたたいて笑っておりました。
あやうくゾロは尖った竹を敷き詰めた落とし穴に落ちるところでした。
「ベトコン仕込みのパンジステークを仕掛けるとは、やるな、ルフィ、あやうく死にかけたぞ・・・ハハ(爽やかに)」
と時折パプワくんネタをしながら2人は山道を登って行きます。
そう、さながら。
「ゾロ〜!!こっちこっち!早く〜」
「こら、待て、ルフィ!」
お花畑で、「待て、捕まえちゃうぞ、こ〜いつ〜v」「うふふv」なんてするノリで。
時折、スパイクボールなんかも剣豪はくらったりなんかして。
2人は約75度に傾斜した山道を追いかけっこしながら走っていくのでした(すげえ!)。
「つかまえたぞ!!」(←語尾はハートマークのほうが良いでしょうか・・・?)
「あ、つかまっちまった!(笑)」
ようやく、ゾロはルフィをつかまえてその腕の中に閉じ込めました。
肩を少し上下させながらも、急に真剣な眼差しになった剣豪に。(ママ!いきなり猛っちゃってる人がいるよ!!)
ルフィも、どきどきしてその熱っぽく光る目を見上げました。
「ルフィ・・・」
が!!
「あれま。お客さんけ?」(どこの言葉?)
タイミングよく出迎えに来た宿の人に声をかけられ。
見ればそこはちょうど旅館の前で。
「お、到着〜♪」
ルフィはさっさとゾロの腕から抜け出してしまい。
一人、宿の人に殺意を燃やすのでした。(背中には鬼のオーラが!!)
が、にぶい宿の人には伝わらず。
「後ろの兄ちゃんは、腹の具合でも悪いんかネ?えらく気合入った顔してるがネ。」(み、Mr3!?)
楽しく談笑するルフィと宿の人の後ろを目を据わらせて歩いていくのでした。
宿にて。
ここに来た一番の目的・湯治(約1名、すっかり忘れてた不埒者もいるようですが)の為に温泉につかるゾロとルフィ。(も、もう?!)
湯は岩に囲まれた天然の露天風呂で。
火傷に効く温泉、切り傷、打撲や骨折、擦り傷、神経系、・・・ざっと5、6種類はあり1日ごとに違う湯に順番につかっていくと傷の治りも良いのだといいます。
(ってことは合計6日はここで2人っきり!!(>▽<))
とやはり不埒なことを考える人間約1名。
しかし、そんな考えをぐっと飲み込み(ここだけはえらい!)、傷を早くなおすことに専念しよう、と剣豪は決意するのでした。
そして、なおったら思う存分ルフィと、しよう、と!(見直した私がバカだった)
「48、49、50、51・・・72、73、」
「こら!ズルするんじゃねえ!!ちゃんと100まで数えろ!」
ルフィはじっと湯につかってるというのがかなり苦手です。
最初は物珍しそうにするものの、すぐ飽きてしまいます。
仕方なく100まで数えたら出ていいぞ、とはゾロは言いましたが。
「・・74・・・100!」
「どうして、いきなり100になるんだよ!」
「う〜・・だって、もうあちいよ、ゾロ!早く出たい〜!!」
ついに、ざばっと立ち上がって逃げ出そうとするのを、二の腕をつかんで止め、また湯に引き戻します。
「だから!ケガを早くなおしたかったらちゃんとガマンして浸かってろ!」
あまりにも聞き分けのない船長に少し苛立って、いつになくまともなことを言うと(ひでえ)。
「・・・わかった・・・」
ルフィはしぶしぶ頷きました。
よし、と満足そうにゾロはルフィの小さな頭を、よしよし、としてやりましたが。
上気した頬とゆだって、少し辛そうに潤んだ目、少し開き気味になって浅く呼吸をする赤い唇。
それをしっかり間近で見てしまったゾロは。
温泉の中で前かがみになってしまうのでした。(←さ、最低ぇ)
「ゾロぉ?」
不思議そうに覗き込んでくるルフィ。
それに更に煽られ。
ポタン・・気づくと乳青色の湯に、鼻血の花が!(ひぃぃ!怖!)
あかん、こりゃあかん、とゾロは立ち上がり、取りあえず洗い場で水でもかぶろうと湯を出ました。
「・・・と、とりあえずあと26数えて出てこい」
「わかった!」
ちょっとびっくりしながらも(そりゃあね・・・)元気に答えるルフィに背を向けて、ゾロ、ダッシュ、ダッ〜シュ、ダッシュ!キックアンドダッシュ!(キャ○翼)で!
男の子はいろいろ事情があって大変です。(書いてるちーちゃんの頭もね・・・)
洗い場で取りあえず、すっきりして。(←何があったのか深く考えちゃだめです)
湯にゾロが戻ると。
珍しく、ルフィが文句も言わず、おとなしくつかっています。
珍しいな・・・まあ、ゆっくりできていいこった、と思ったのですが。
ごぼごぼ、と異様な音がするのに目を向けると・・・ルフィが溺れていました!!(ぎゃー!!!)
「な、な何でいきなり溺れてるんだ!!?」
急いでゾロはルフィを洗い場に引き上げました。
でも、ルフィはくたっとして、いくら頬をたたいても目をあけてくれません。
昨日までは、こんなことなかったのに・・・何でこの湯だけ・・・不審に思って効能を書いた木の板を読むと。
『この温泉の効能は湯治最後の仕上げとして筋肉のこりをほぐし・・・塩分を含んでいるため・・・』
「何〜!!?(がぼーん!)おい、ルフィ!!しっかりしろ!!」
出来すぎだろう〜!!という突っ込みはおいておきまして。
ゾロはうっかりしてました。
ええ、そらもう本当に。 だって、ゾロには到底計算マ○ちゃん(fromスマス○)なんてマネはできませんもの!(断言)
こういう場面には慣れたもので、剣豪はてきぱきと応急処置をいたしました。(乱世でしか生きられない男・・・ほろり)
鳩尾を、ぐっ、と押すと、ごほ、と苦しそうな表情でルフィが湯を吐きました。
ショックからか呼吸が止まっています。
気道を確保し、すう、とゾロは息を吸い込み。
ルフィと唇を合わせ、ふう、と息を吹き込みました。
小さな指先が、ぴくん、と動いて。
「げほ・・っ!・・・ゾロ?」
数回くりかえすと、また、少量の湯を吐き出し、ようやくルフィは目を開けました。(ほっ)
ようやく、剣豪もほっと息をつきました。
「悪かった。」
目を離したこと、しかもそれが自分のヨコシマな考えからだったこと。(まったくだ)
剣豪はまさに、大後悔時代が到来しておりました。
ううん、とふるふるとルフィは首を振って。
「ありがと、ゾロ。」
とだけ、言いました。(ええ子や・・・ホンマに。)
まだ、少しふらつくルフィに手を貸して。
脱衣所で、手早くルフィの身体をバスタオルで拭い、浴衣を着せてやりました。
タオルごしに感じられる細くて未発達な身体の線にどうしたって意識は集中してしまうのですが、そこはぐっとガマンして。
正視しないようにして浴衣を着せて、ゾロは帯を結んであげました。
「・・・ありがとう、ゾロ!」
あといっこ、お願いがあるんだけど・・・と見上げてくるルフィに、さっき止まったはずの鼻血がまた噴射してきそうになる剣豪。(若いねえ)
「何か、まだクラクラして気持ち悪ぃから・・部屋まで抱っこしてってくれねぇか・・・?」
(な、何〜!?)
<次回、第二幕に続・・・くかもしれない・・・>
これは以前のゾロルツアーでしおりにのっけていただいたお話です。
ちょっと今他SSが書きかけなのでお茶を濁そうと(笑)
果たしてちーちゃんは剣豪ファンなのか!?という疑惑を呼んだ品。
・・・続きどうしやしょう?(笑)
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